変形性ひざ関節症とは、膝に痛みが生じたり、水がたまったりする疾患のことで、膝の関節にある軟骨が何らかの原因ですり減ってしまうことに起因します。
変形性膝関節症の発症は、加齢によるものが多く、男性より女性に多く見受けられ、65歳以上の女性のうち、5人に1人が関節痛に悩まされていると言われています。
膝関節の軟骨が加齢による磨耗やケガによる軟骨損傷によって、長時間かけてすり減り、滑らかな動きが阻害されて生じた炎症から発症します。
また、内側の軟骨ばかりがすり減り、「O脚」になることが多いのが特徴です。
変形性ひざ関節症の診断によく使われるのが、変形性ひざ関節症の重症度を示すグレードといわれる指標となります。
1から4までの基準に区分けされ、グレード2が初期、グレード3が進行期、グレード4が末期の変形性ひざ関節症と診断されます。
Grade1 | 軽度の骨棘形成や軟骨下骨硬化の傾向が見受けられる状態。 運動や減量といった非薬物療法による治療となります。 |
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Grade2 | ひざ関節の隙間が狭くなりはじめ(関節裂隙狭小化)、骨棘の形成が確認できる初期段階。 薬物療法(NSAIDs、関節内注射)による治療となります。 |
Grade3 | 変形性ひざ関節症の進行期で、関節裂隙狭小化・骨棘形成・骨硬化像がはっきりとわかる段階。 薬物療法による治療が一般的です。 |
Grade4 | 極端な関節裂隙狭小化(隙間が75%以下)と骨棘が形成され、骨の変化も顕著で末期の段階。 外科的治療(関節鏡視下手術・骨切り術・人工関節置換術)が必要となります。 |
これまでの変形性ひざ関節症の治療では、軽度なら運動療法やヒアルロン注射、消炎鎮痛剤(内服薬・湿布薬)、重度であれば人工関節などの手術療法が行われてきました。
しかしながら、人工関節をするほど軟骨は減っていなかったり、スポーツをするとひざの痛みが悪化する方、諸事情により人工関節が行えない方などには有効な治療がありませんでした。
そこで、重症度Grade2からGrade3の治療ほうとして期待されているのが再生医療となります。